香川留学生支援会について

2019.02.06

01 穴吹カレッジ「香川留学生支援会」設立趣意

30年後の2050年、日本の65歳以上高齢者は2.7人に1人、37%になります。また、今後30年間で現在の労働力人口の25%、つまり約1,500万人が減少すると予測されています。東京都の人口が約1,400万人であることを考えれば恐ろしい数字です。また、高齢化は地方で顕著となっており、老いていく地方にあって私達は何を為すべきか、何を残すべきかが問われています。
我々の答えは一つ、それは「人材」です。「人材」を育てることが地方を発展させ、「人材」を定着させることが地方の未来となります。
穴吹学園は、全国に先駆け31年前から留学生教育を開始しました。31年間で卒業した留学生は24か国、1,573名に登ります。こうした留学生の募集を支えているのが海外での幅広いネットワークです。現在、海外の提携校は12か国、72校で、海外姉妹校は10か国、29校を数えます。このネットワークを通じて、ここ数年留学生数は大きく伸びており、現在高松校には14カ国375名の留学生が在籍しています。うち255名が日本語を学び、残り120名が自動車整備、介護、ビジネス、IT等各分野の専門課程で学びながら日本での就職を目指しています。
とはいえ、留学生の日本での就職は容易ではありません。彼らが日本で職業人となるには「日本語教育」と「職業教育」が必要ですし、一人の生活者として地域に定着するためには日本の文化や生活習慣等を理解しておくことが求められます。
昨年12月8日、入管法が改正され、「特定技能1号・2号」が創設されました。人材不足解消のためとはいえ、日本語能力を軽視した一時的な労働力確保は、現場の混乱を招き従来の技能実習制度以上に不法滞在や犯罪の温床になるのではと危惧されています。一方、我々が育てる外国人職業人材とは、企業を発展させ企業に定着する「人材」です。急がば回れ。就業前の日本語教育と職業教育こそが優秀な外国人材獲得の近道となるのです。一方、現状留学生の就職先は、その多くが東京や大阪等都市圏の企業となっています。この流れを変え香川県での就職を促進するには、先ず彼らが香川県を好きになり、香川県で就職したい、生活してみたいというマインドの醸成が不可欠です。そのために、いかに留学生を支援していくのか、産官学一体となった留学生受入協力体制が求められているのです。
さて、地域に貢献する「人材」を育てることが穴吹学園の理念であり、産学連携の下、地元企業に必要な「人材」を教育して送り届けるのが学園の使命です。穴吹学園には留学生を入口から出口まで支援する体制があります。入国時の在留資格ビザ申請、入国サポート、入国後の寮やアルバイトの生活サポート、日本語教育、ビザ更新、職業教育、就職支援、就労ビザ申請等のノウハウが31年間蓄積されてきました。
そうしたノウハウを活かし本会の活動は以下5つの実現を目指します。先ず、香川を理解した外国人職業人材の育成です。香川で育て香川で就職することで、香川の環境や生活事情を理解した外国人材採用を可能にします。2つ目に、産学連携で高度人材を育てます。採用した外国人職業人材の職能を評価戴いた上で新たなご要望や課題を学校にフィードバック戴き教育を見直すことで、産学連携のPDCAサイクルを回し、より高度な人材育成を目指します。3つ目に、採用効率を高めます。海外大学視察や現地企業説明会さらに現地面接会を通じて採用活動を支援します。併せて外国人材採用事例の会員間共有と蓄積を進め採用ハンドブック作成につなげることで、採用リスクを軽減し採用効率を高めます。4つ目に、産学連携で定着を高めます。
就学期間中のアルバイトやインターンシップで職場環境を体験し職場の人間関係を構築することで、職場定着と職業適性を高めます。5つ目に、安定した外国人材採用を実現します。外国人材を産学連携して地域で育て地域に定着させる成功例を積み重ねることで、今後人材獲得競争が予想される他国や国内他地域との差別化を図り、持続可能かつ安定した外国人材採用を実現します。
その上で、我々は優秀な外国人職業人材を採用育成し来たるべき労働力人口減少時代を共に乗り越えていきます。さらには、海外に事業展開しグローバル企業として成長を目指す企業には海外進出への関連情報を提供し海外展開を応援します。本会は一歩先を目指します。
最後に、本会は香川県の若手職業人材不足を解消するために、産官学連携により意欲に溢れ高度な知識と高い規範意識、日本文化にも通じた外国人材を支援・育成し、留学生の就職活動と企業の採用活動を両面から支援することで香川県での就職を促進します。さらに、職業人としてまた地域の生活者として香川に定着することを通じて地域の活性化と発展に貢献することを目的として本会を設立します。
以上